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アランデル城  Arundel Castle
               2012年5月31日 訪問  水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。

次は始めて訪れるアランデル城だ。 アラン川(Arun River)の岸辺の駐車場に車を止め道路を渡れば、重厚な雰囲気の城門"Lower Lodge"がどっしりと構えている。 エントランスで入場料を求める。見学範囲によって値段が4段階に分かれている。一番高いのは17ポンドとお高い。 貴族といえども、個人で城を維持していくのは大変なのだろう。私たちは例によりガーデンオンリーだが、それでも8ポンドだ。
青々とした芝の中の湾曲したスロープを登っていくと小高い丘に壮大な城が聳え立つ。街並みの家々の合間からも垣間見られたように、街を見下ろす高台に築かれている城だ。 アランデル城の歴史は1067年に始まるという。そして700年に亘るノーフォーク公爵の居城であり、今もお住まいなのだ。 1846年にはビクトリア女王ご夫妻も訪れているという由緒ある城だ。
左手の林の中にローズガーデンがある(写真下中2枚)。18世紀のローン・ボーリング場の後に造られた新しいガーデンのようだ。 柘植のヘッジで囲まれたフォーマルなデザインだ。残念ながらちらほらの開花といったところだ。
城のもう一つの城門は街のハイ・ストリートに面した"High Street Lodge"だ(写真下右)。威風堂々の構えだ。 今は堅く閉ざされているが、ノーフォーク公の出入りの際は開かれるのだろう。

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さて、ここでのお目当ては"The Collector Earl's Garden"だ。"The Collector"として知られる14代公爵トーマス・ハワード(Thomas Howard) を称えて造られたもので、2008年にチャールズ皇太子を迎えてオープンされたガーデンだ。
入場して驚いた。全てが木で出来ているのだ。17世紀にトーマス・ハワード公が住んでいたロンドンの"Arundel House"をイメージし、 イギリスのオーク材を石に見立てる手法でデザインされているらしい。
南北に"Arun Fountain"という噴水が流れている。北の端の屋根にホタテの貝殻をいただいたオーク製のハウスの中から落ちる滝から始まる流れに 両側に立ち並ぶ噴水から水が注がれる(写真下左から2枚目)。そして、北の端で滝となって暗渠に流れ落ちていく(写真下左)。 そこから東西に2本のアーチパーゴラが幅3m、高さ4.5m、長さ15mに築かれ、中央部には高さ2mのドーム屋根が載っている(写真下右2枚)。 なかなかに優美なものだ。右から2枚目の後方の教会は"Fitzalan Chapel"だ。こちらも優美な姿だ。

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アーチパーゴラの南側は芝の広場で"mountain"と呼ばれる4つの大きな岩が置かれている(写真下左から2枚目)。この広場の植栽はヤシとシダだけで エキゾチックな雰囲気がする(写真下右2枚)。ガーデンの南の端の建物が"Oberon's Palace"と呼ばれる建物だ(写真下左から2枚目)。 幾つもあるオーク材の建物の中でもっとも大きい。両脇に高さ5.5mのオークのオベリスクが構えている(写真下右)。
室内の壁は貝殻で飾られており、中央には噴水が吹き上がりその噴水の上で金色の冠がくるくる回っている。 この冠は"dancing coronet"と呼ばれているという(写真下左)。

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The Collector Earl's Gardenの西側に同じくらいのスペースのガーデンがある。"Herbaceous Borders"、"Flower Cutting Garden"、 "Victorian kitchen Garden"などがフォーマルに並んでいる。大きな温室も2つ並んでいる。 花、野菜、果物など豊かな実りをお城に供給しているようだ。案山子の姿もほほえましい。

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Fitzalan Chapelとの境界のHerbaceous Bordersのジギタリス、アリウム、ユーフォルビア、キャットミントなどの伸び伸びとした姿が眩しい(写真下左)。
再びThe Collector Earl's Gardenに戻る。噴水の吹き出し口は金色のライオンの顔だ。間のコンテナにはアガパンサスが植えられている(写真左から2枚目)。 丈夫なオーク材とはいえ、噴水との組み合わせは耐久性が気掛かりだ。
渦巻きの紋様が施されたベンチもオーク材で出来ていて、ガッチリしている。園内各所に置かれている。 後ろに見えるアーチゲートはキッチンガーデンへの入り口だ(写真下右から2枚目)。
Arun Fountainの東の一隅に神殿風の建物がある(写真下右)。屋根も破風もコラムの柱頭も金色の鹿の角で豪奢に飾られている。 何もかもがユニークで型破りで風変わりなガーデンだ。ガーデンのデザインに決まりはない。感性を大切にし、ポリシーがしっかりしていれば良いということだ。

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Information
 Address  Arundel, West Sussex BN18 9AB
 Telephone  01903 882173
 Web Site  Arundel Castle

オープンの日・時間や入場料は Web Site あるいは Gardens Finder
Gardens Guideで確認ください。

「旅行記」もご覧ください。

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